こんにちは、FF大好きのユウです!
FF7どころか、FFシリーズ全体を通じて屈指の人気を誇るクラウド。
元々は神羅カンパニーの一般兵でしかなかったのに、FF7世界では最強格のセフィロスを複数回に渡って撃破しているトンデモ人間です。
一体どんな凄い血筋の人間なのかと思いきや、実はクラウドって田舎の母子家庭にて育ったという、リアルの世界でも割とよくある平凡な(?)出自です。
しかも、クラウドの両親に関する情報は今まで殆どありませんでした。
原作版FF7では、回想シーンで母親が少しだけ登場しただけなんだよな…
まあ、母親の場合はまだ良いです。
原作版はもとよりリメイク版でも少しは出番に恵まれていますので。
問題は父親の方です。
何を隠そう、クラウドの父親については謎が多いときた。
少なくとも、平成の頃は全くと言って良いほど情報が無かったんですよね。
しかしながら、令和以降は少しずつですけどクラウドの父親に関する情報が判明してきました。
そんなクラウドの父親ですが、あまり褒められた人物ではなかったようです。
少なくとも、家庭における「父親」としては失格と言わざるを得ません。
ダメ親父の雰囲気が漂っているかと言うか、クズ男の臭いがすると言うか、何と言うか。
とにかく「家庭人」としては不適格とでも言いますか、リアルの世間であれば非難轟々となること間違いなしの行動をやらかしています。
かくいう筆者自身も、クラウドの父親に対して良い印象は全く抱いていません。
いや、それどころか軽蔑の念すら抱いています。
FF7の“父親”と言えば、ダインとか、宝条とか、ガスト博士とか、プレジデント神羅とか、何かとヤバい奴らばかりなのですが…
クラウドの父親もご多分に漏れず、宝条などとは方向性が異なる「クズ」という感じがします。
そうは言っても、クラウドの父親は宝条ほどの悪行をやらかしている訳ではありません。
ですが、いや、だからこそタチが悪いと言うか。
リアルの世界でも割とよくいるタイプの「クズ」だからこそ、悪辣な印象を受けると言うか。
そんなクラウドの父親について、この記事では各種媒体(主に小説)の描写に基づいて読み解いていきます!
原作版FF7では短いテキストでの描写のみ
ストーリー序盤で訪れるカームの街で、クラウドの回想イベントがありますよね。
その時にクラウドの実家を訪れると、クラウドが自分の家族について話すイベントが始まります。
このイベント発生は任意であり、原作版FF7が発売した当時は、意外と気付かないままスルーしてしまったプレイヤーも多いかと思います。
…で、ここでのクラウドの発言内容から、父親は既に死亡していること、実家には母親が1人で住んでいることが窺えます。
ついでに言うと、クラウドには兄弟も祖父母もいないことが初めて示唆された場面でもある!
驚くなかれ、原作版FF7においてクラウドの父親について言及されたのは、実はこの時だけです。
原作版FF7では、母親に関する描写もかなり限定的でした。
しかし、父親に関する描写について注目してみると、母親のそれとは比較にならないほど乏しいのです。
テキストの文字数だけで言えば、何と20文字程度という短さ。
大作RPGの主人公であるにも関わらず、このシンプルさ。
しかも、主人公本人が渋々ながら仲間たちに話すといった流れ。
これこそが原作版FF7における「クラウドの父親に関する全て」なんですよ。
クラウドが父親に対してどのような感情を抱いていたのか、その辺りは全く不明です。
大体にして、クラウドが物心つく前に亡くなったのか?
それとも、クラウドがある程度成長してから亡くなったのか?
これら点についても明示されていないときた。
詰まるところ、あまりにも端的過ぎて、プレイヤー目線では全く印象に残らないキャラクター。
それが「クラウドの父親」なんですよね。
ハッキリ言って、そこら辺にいるモブの神羅兵よりも影が薄いです。
主人公の父親としてストーリーに深く関わるFF4のクルーヤとか、FF8のラグナとか、FF10のジェクトとかとは雲泥の差がある…という訳です。
親子関係という意味では、ぶっちゃけバレット&マリンの方が遥かに濃く描かれているよな…
その後、2005年からFF7ACをはじめとする派生作品が多数発売されましたけど、それらの作品でもクラウドの父親に関して触れられることは一切ありませんでした。
そんなこんなで、長い間謎だった(…と言うかプレイヤーからも忘れられていた)クラウドの父親。
彼は一体、どのような人物だったのか?
クラウドの母親とは、どのようにして出会ったのか?
そもそもな話、何が原因で死亡したのか?
公式からは明確な回答どころかヒントすら提示されなかった訳ですが…
原作版FF7が発売した1997年から24年の歳月を経て、2021年にようやくクラウドの父親について僅かながら掘り下げられる日がやって来ました。
それが、次に紹介するFF7外伝小説「Two Pasts」での描写です。
FF7の外伝小説「Two Pasts」の描写
「でも、クラウディアさんは村に残ったんですよね」
「ああ。恋ばかりはどうしようもない。旅の男が来てね。宿屋を手伝っていたクラウディアはあの男が運んで来た外の空気にやられたんだろうね。それに、きれいな顔の男だったよ。クラウドを見ればわかるだろう?あれは両親のいいとこどりだよ」
「はあ」
「でも、風みたいな男でね。落ち着くことができなかった。クラウドが歩き出すかどうかの頃に山の向こうへ行くと言ってそれっきりさ。持ち物は見つかったけどね。身体はモンスターにでも喰われたんだろうね。あんたも同じ目に遭わなくて良かったよ」
ティファは身構える。
あの話が始まるのだろう。
「クラウドがあんたをそそのかしてニブルにのぼったのは、やっぱり血のせいなのかね」
引用:FINAL FANTASY Ⅶ REMAKE Traces of Two Pasts 43~44ページより
「FINAL FANTASY Ⅶ REMAKE Traces of Two Pasts」は2021年7月に発売した小説です。
タイトルと表紙から分かる通り、この小説では「ティファとエアリスの過去」について詳しく書かれています。
…で、小説の前半部分に当たる「ティファ編」に、実に興味深い箇所がある訳ですよ。
何と「クラウドの父親」について、ニブルヘイム住民がティファに対して語っている場面があるのです!!
この外伝小説では、あくまでティファ目線でストーリーが進むことに加えて、クラウドの父親については「ニブルヘイム住民の視点」から語られています。
そのため、クラウドの父親については伝聞や又聞きの要素が入っており、実像からはかけ離れている可能性に留意する必要があります。
…が、長年謎に包まれていた「クラウドの父親」に関する新しい情報が出てきたことも事実です。
そんな訳で、何かと断片的な情報ばかりですけど、それらに基づいてクラウドの父親について考察していこうと思います。
描写①:旅の男
今回の件でハッキリしたのは、クラウドの父親はニブルヘイムの住民ではないということです。
何のために旅をしていたのか、何を目的としてニブルヘイムに立ち寄ったのか、それらの点については不明です。
しかしながら、当時はニブルヘイムの宿屋で働いていたクラウディアと男女の関係になり、その結果としてクラウドが生まれたのは間違いありません。
しかも、小説の内容を読んだ限りだと、クラウディアと正式に結婚はしていなかったようです。
少なくとも、小説内では夫婦揃って仲睦まじくクラウドを育てていた…という描写は一切ありません。
クラウドの父親が息子に対してどのように思っていたのかは定かではありませんが、もしかしたら息子への愛情はあまり無かったのかもしれませんね。
いや、それ以前にクラウディアに対しても“本気”ではなかった可能性すらあります。
旅先でたまたま立ち寄った宿屋にて、若い娘と出会った。
その娘が、どうやら自分に対して好意を抱いたらしい。
自分としても悪い気はしないので、つい軽い気持ちで“性的関係”を持った。
そしたら娘が妊娠したので、仕方なくニブルヘイムに逗留することにした。
…なんてオチだとしたら、後述するように「また旅に出たい」という欲求を抑えられなくなったとしても、別に不思議ではありません。
真剣交際の末にゴールインした訳ではない辺りが、妙に生々しく感じる…
そもそも、クラウドとクラウディアの年齢差から逆算すると、クラウディアは17歳の頃にクラウドを出産しています。
(※本編から5年前のニブルヘイム事件の時点で、クラウドは16歳、クラウディアは33歳だった。)
…と言うことは、妊娠期間を差し引いて考えると、クラウドの父親に出会った頃のクラウディアは16歳前後ということになります。
16歳といえば、ユフィと同じですよ。
リアルで言えば、高校1年生または2年生という時分です。
まさに青春の真っ盛りである反面、何事においても分別のある行動が出来るかと言うと、それはまだまだ難しい年頃ですよね。
ましてや、詳しくは後述しますけどクラウドの父親が“美形” であったことは明白です。
そんな美形男性が目の前に現れたら、年頃の少女であれば年齢的なことも相まって一気に燃え上がってしまうこと待ったナシです。
当時のクラウディアにとって、クラウドの父親との出会いは、日常が激変する程の出来事だったのでしょう。
小説内の記述から察するに、どうやらクラウディアの側から惚れたようですし。
そのような事情を考慮すると、クラウディアは若気の至りでクラウドの父親に猛アタックし、その結果として妊娠するに至ったのかもしれませんね。
もしも両親による“軽率な行為”によって星を救う主人公が生まれたのだとしたら、何とも複雑な気分になるな…
描写②:きれいな顔
「クラウドは本当に美しい顔をしている」
母親の言葉を思い出す。
その言葉は、こう続く。
「ママは、英雄のセフィロスよりもずっと綺麗だと思うな」
引用:FINAL FANTASY Ⅶ REMAKE Traces of Two Pasts 22ページより
FF7の物語を通じて、何かとルックスを誉められることが多いクラウド。
ティファやエアリスから好意を寄せられるだけでなく、リメイク版ではジェシーからも「顔が良い」と評されるほどのイケメン。
女装をすれば、好色なコルネオをも興奮させるほど整った顔立ち。
極めつけに、小説内ではティファの母親であるテア・ロックハートからも容姿を称賛されるときた。
ゲーム内でも、そしてリアルの世界でも、誰もが認める美形だからこそ女性を惹きつけている節があるクラウド。
そんなクラウドの容姿には、父親の血が色濃く反映されていることが判明しました。
こ、これが生まれながらの“勝ち組”なのか…!!
クラウドの髪色については、おそらく母親からの遺伝でしょう。
しかしながら、顔立ちに関しては母親と“ソックリ”という程ではありません。
確かに、母親と似ていると言えば似ています。
ですが、私見ですけど母親はクラウドほど“美形”という感じはしません。
(※作中で登場するクラウディアは33歳なので、本編時点で21歳の美青年クラウドと比較するのはナンセンスかもしれないが。)
では、クラウドの美形要素は、一体どこから来たのか?
言わずもがなですが、それは父親由来であることが窺えます。
だからこそ、ニブルヘイム住民もクラウドの容姿に対して「あれは両親のいいとこどり」という発言をしたのでしょう。
実際、死んでから何年も経っているにも関わらず、大して親しくもなかったであろうニブルヘイム住民から「きれいな顔の男だった」と評される辺り、クラウドの父親は凄まじい美形であったことは想像に難くないです。
FF7には美形のキャラクターばかりが登場するので忘れてしまいがちですが、FF7世界においても美形はレアな存在なのでしょうね。
少なく見積もっても、クラウド級の顔立ちならば、FF7世界の中でも上等な部類に入るみたいですし。
そんなクラウドの“美形遺伝子”についてルーツを紐解いていくと、そこにはクラウドの父親の存在があると。
下世話な表現ですけど、若い頃のクラウディアは“面食い”であり、だからこそ美形なクラウドの父親に入れ揚げたのかもしれませんね。
美形が持て囃されるのはリアルでもゲームでも同じという訳だな…
描写③:風みたいな男
小説内での記述によると、クラウドの父親は「クラウドが歩き出すかどうかの頃」にニブル山へと向かい、そして死亡しています。
つまり、クラウドが1歳くらいの時期だと推察されますが、個人的に気になるのは「ニブル山の向こうに行こうとした動機」です。
「ニブル山の向こう」にはロケット村がある訳ですが、クラウドが1歳前後だったと仮定した場合、FF7本編から20年前ということになります。
つまり、時期的なことを考えると、ロケット村どころか、ロケット自体がまだ造られていなかった可能性大です。
では、クラウドの父親は何かしたくて「ニブル山の向こう」へと行こうとしたのか?
ニブルヘイム住民の言葉を借りるなら「落ち着くことができなかった」とのことなので、ただ単に今まで中断していた旅を再開したくなっただけなのかもしれません。
自由気ままな旅人気質という意味では、FF5の主人公であるバッツみたいな感じか?
元々、クラウドの父親は旅の途中でニブルヘイムに立ち寄っただけです。
その後、息子が生まれるという出来事はあったものの、クラウドの父親としては何か思うところがあって、本来の自分(=旅人)に立ち返ろうとしただけなのかと。
つまり、クラウドの父親が妻子のもとから出立した件について、深い理由は無いのだと考えられます。
しかしながら、この行動は「父親」としては完全に失格です。
少なくとも、筆者はそのように捉えています。
深い理由がある訳でもないのに、命の危険を顧みることなく、妻子を置いて危険な場所(=ニブル山)へと赴く。
それはある意味、家庭における「父親」としての役割を放棄したも同然の行動です。
クラウドの父親とて、好き好んで死んだ訳ではないでしょう。
もちろん、その点については理解しています。
しかしながら、思慮に欠ける行動の結果として、クラウドの父親は死んでしまった。
そして、クラウディアとクラウドは母子家庭として今後の人生を歩むことを強いられた。
つまり結果論とはいえ、経済的にも、精神的にも、クラウディアとクラウドに与えたマイナスの影響は大きかったと言えます。
自分の死後、遺族が色々な意味で苦しむであろう可能性を全く考慮せず、気の向くままに旅を再開したのであれば、もしかするとクラウドの父親は“無責任なクズ男”の素養があったのかもしれません。
ニブルヘイム住民はニブル山のことを“生きて越えられない山”と言っているくらいだし、クラウドの父親にしても「危険な場所」という認識くらいはあっただろうに…
まあ、クラウドの父親はまだまだ謎が多い人物です。
よって、彼がニブル山の向こうに行こうとした理由・事情・目的などについては、プレイヤーである我々が想像するしかない訳ですが…
小説内での描写から察するに、クラウドの父親は家庭に縛られるのが嫌なタイプだったのかもしれませんね。
クラウドの父親について、ニブルヘイム住民は「落ち着くことができなかった」と評しています。
その点に関してですが、裏を返せば「落ち着きたくなかった」という解釈も可能ではないでしょうか?
旅先で何となくクラウディアと性的関係を持ったら、妊娠させてしまった。
別に家庭を持ちたい訳でもないのに、息子であるクラウドが生まれてしまった。
その後、責任を取ろうと思ってクラウディア&クラウドと一緒に生活をしてみた。
しかし皮肉なことに、旅を好む自分にとって「特定の場所に定住すること」は苦痛に感じられた。
何かが、シックリこない。
家庭は、自分に相応しい居場所じゃない。
そのような葛藤なり苦悩なりの末、「父親」としての役割ではなく、「旅人」としての自由を優先することを決意した。
小説内の描写からは、そのような光景が容易に想像できます。
そう考えてみると、クラウドの父親は家庭人には向いていなかった可能性大です。
「義務や責任」よりも「自分の欲求」を優先してしまう点だけを見ると、ガスト博士と同じようなクズ臭がするな…
リアルの世界でも趣味や仕事に大きな価値を見出しているあまり、その結果として家族を蔑ろにする男性は多いです。
そのような気質の是非はさて置き、蔑ろにされる側の家族にとっては堪ったもんじゃありません。
この辺りの生々しさをゲーム内の設定としてブチ込んでくるあたり、小説の執筆者である野島氏の人生観が窺えますね。
公式の短編小説「英雄に続く2千ギル」の描写
亡き父親が使っていたという財布――財布と呼ぶには武骨すぎる革の袋だ。
中には2千ギルが入っている。
「これを持って行きなさい」
母親が革の袋を差し出して言った。
(中略)
「父さんがね」
母親の声が柔らかくなる。
「言ってたの。2千ギルあれば、たいていのところへ行けるし、たいていの困難は乗り越えられるって。だからね、うちに2千ギル貯まりそうになると、母さん、こっそり使っちゃってた」
「そうなんだ」
「父さんがいなくなって長いから、今回は油断しちゃったな」
一瞬、母親の顔がゆがんだ。
「持っていって。これくらいしか、できないから」
引用:ファイナルファンタジーⅦリバース ワールドプレビュー 89ページより
FF7リバースが発売する直前のタイミングで、クラウドの父親に関する新たな事実が判明しました。
「ファイナルファンタジーⅦリバース ワールドプレビュー」という書籍に野島氏の書き下ろし小説が載っているのですが、ただの短編小説と侮るなかれ、実は結構重要なことが書き綴られています。
その中でも特に興味深いのが、クラウドの父親に関する言及です。
小説のタイトルそのままですが、クラウド一家の中で2千ギルという金額は特別な意味を持っていることが明らかになりました。
小説の内容から察するに、クラウドの父親は生前、クラウディアに対して「2千ギルという金額が持っている価値」について語る機会があったのでしょう。
これはまさに、クラウドの父親が旅を通じて培った金勘定の感覚なのでしょうね。
クラウドにとっては物心つく前に亡くなった父親でも、その意思や感覚は母親を経由して息子に受け継がれているという訳ですね。
事実、FF7リバースをプレイすると分かることですが、クラウドは何かと2千ギルに拘りを見せています。
後半のサブクエストの辺りになると「また2千ギルの話かよ!」などと思わなくもないですが、この金額にもきちんと意味がある訳です。
FF7の世界では、2千ギルというのはそれなりに大金であり、クラウドの父親曰くですが「たいていの困難は乗り越えられる」ほどの金額であるということですね。
実際のところ、旅には何かにつけてお金が必要なものです。
ゲーム的なことを言うと、旅先でアイテムやマテリアを買い、装備を整える必要がある訳ですし。
よって、この2千ギル云々の金銭感覚はクラウドにとって、地味ながらもプラスの影響を及ぼしていたのではないでしょうか?
いつの時代も、無一文で旅はできないからね…
それにしても、こうして見てみると何とも因果なものです。
クラウドの父親にとっては全くの想定外だったでしょうけど、息子もまた自分と同じく旅に出るとは思いもしなかったでしょう。
しかも、クラウドの場合は星を救うという壮大な旅です。
自由気ままに物見遊山をしていたであろうクラウドの父親とは、旅に伴う使命や責任がまるで異なります。
しかも、ティファ・エアリス・ユフィといった綺麗どころまで一緒というオマケつき。
ついでに言うと、セフィロスやジェノバによるリユニオン現象に振り回されるという災難もセットで。
そして、長く苦しい旅を経て、紆余曲折の末に星を救うときた。
旅の“質”を見れば、息子のそれ明らかに父親を上回っています。
「風みたいな男」と評され、旅半ばで命を落としたクラウドの父親。
そんな彼にとって、息子が自分以上に困難かつ壮大な旅を成し遂げたとあれば、ある意味では本望ではないでしょうか。
ライフストリームの中で「さすが俺の息子だ!」などと言って、クラウドを褒めちぎっているかもな!
それと完全に余談ですが、クラウドは原作版FF7の頃からお金にうるさいキャラクターとして描かれています。
特に序盤で七番街スラムで訪れる「初心者の館」での台詞なんて、FFの主人公らしからぬ守銭奴らしさが滲み出ています。
この一種独特とも呼ぶべきクラウドの金銭感覚。
これは「何でも屋」を営む個人事業主としての心得なのか?
あるいは、ジェノバ細胞の影響でザックスの模倣をしているだけなのか?
はたまた、クラウド本来の気質によるものなのか?
この辺りは長い間謎に包まれていたクラウドの人物特性ですが、公式小説である「英雄に続く2千ギル」を読んだ限りだと、これは先天的なものだと考えられます。
クラウドの父親が、2千ギルに拘りを持っていたこと。
そして、母親からそのことを教えられた経験があるという新事実。
これらを照らし合わせると、たとえFF7の物語上では影が薄い父親であるものの、クラウドに及ぼした影響は決して小さくはなさそうです。
金銭感覚に関する遺伝子も、息子にしっかりと受け継がれているという訳だな!
終わりに:クラウドの父親は良くも悪くも「自由」を好む人間だった
風みたいな男で、顔が良くて、2千ギルという金額に拘りを持っていて、不幸にも早逝してしてしまった人物。
そんなクラウド父親ですが、現時点で明らかになっている情報を読み解いていくと、どうも筆者は良い印象を受けません。
旅を通じて培ったであろう金銭感覚から察するに、一介の「旅人」としてはそれなりに有能であったことが窺えます。
しかしながら、家庭における「父親」として見た場合はどうか?
ハッキリ言って、息子への養育責任を真摯に果たしていたとはお世辞にも言えません。
結果論とはいえ、息子が父親不在の家で生きることを余儀なくした訳ですし。
クラウドが幼少の頃から根暗かつコミュニケーションが苦手な性格だったのは、父性愛が欠如した生育環境だったからなのかもしれませんし。
そう考えてみると、やはり家庭における「父親」としては欠点が目立つ人物であると言わざるを得ません。
人間は誰しも“向き”“不向き”があるけど、クラウドの父親は家庭人には向いていないタイプだったんだろうなぁ…
まあ、クラウドが誕生した経緯を考えると、母親の軽率さにも原因があるように思えます。
「Two Pasts」の描写から察するに、クラウディアは後先を考えずに行動していた節がありますからね。
だから息子の生育に関して、何もかもクラウドの父親が悪いとは言い切れませんが…
それでもやっぱり、筆者としてはクラウドの父親に対して「自分勝手な人物」という印象が拭えません。
特定の場所に留まることなく、旅を好み、自由を愛する。
それ自体は結構なことです。
しかし、それが息子を蔑ろにしてしても良い理由になるでしょうか?
親としての責任を投げ出しても良いという理由になるでしょうか?
いやいや、決してそんなことはないと筆者は思う訳です。
“クラウド”という一人の人間がこの世に誕生した時点で、クラウドの父親は息子を育てることを含めて現実と向き合い、自分自身の気持ち(=旅への欲求)に折り合いをつけるべきだった。
しかし悲しいかな、クラウドの父親にそこまでの責任感は無かった。
ついでに言うと、父性愛も無かった。
我が子を軽んじるという一点だけを見れば、それはむしろFF7で例えるならばプレジデント神羅に近い気質だとさえ思います。
プレジデントはルーファウスの異母兄弟たちに全くと言って良いほど興味関心が無かったからなぁ…
【検証】ルーファウス神羅の異母兄弟は最低でも3人以上いるぞ!
定職に就くことも無く、家庭に縛られることを嫌い、気の赴くままに行動する。
このような自分勝手な気質によって、最終的にはニブル山で無惨な死を遂げたのだから皮肉なものです。
詰まるところ、クラウドの父親は良くも悪くも「自由」を愛する人物だった。
なおかつ、その「自由」への欲求が悪い方向に働いてしまった。
FFシリーズでは「自由」についてポジティブな描かれ方をする場合が多いですけど、クラウドの父親の場合は逆にネガティブ気味に描かれています。
自由を求める気質について、美談どころか、むしろ醜聞として描写されている。
まあ、このようなある種の人間の汚さと言うか、リアリティある部分こそ、FF7の真骨頂でもあるわけですが。
そんなこんなで、クラウドの父親は「ダメ親父」に分類されるタイプの人物だったと筆者は思う訳であります。
最後まで読んで頂きまして、ありがとうございました!
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