こんにちは、FF7マニアのユウです!
今回はティファが15歳の頃に所有していた『ちょっと背伸びパンツ』について語っていきます。
何かとネタが多いFF7ですけど、その中でも最上級の“迷アイテム”として有名なのがコレです。
カームでの回想イベントにてティファの家に行き、なおかつティファの部屋の箪笥を調べることで『ちょっと背伸びパンツ』が手に入ります。
(※そうは言ってもアイテム欄には追加されませんけど。)

これが伝説の迷アイテム『ちょっと背伸びパンツ』である!!

そして、これが『ちょっと背伸びパンツ』の見た目である!!
この一連の場面ですが、とにかくヤバい。
何がヤバいって、ギャグ的な描写でありながらも妙にリアリティがあるからヤバい。
主人公がヒロインの自宅を訪問し、ヒロイン不在の自室に入る。
ここまではゲーム的にも許される描写ですが、問題はその後です。
勝手に箪笥を漁ってパンツを発見し、しかも、そのパンツを懐にしまい込むときた。
つまり、一言でまとめると“パンツ泥棒”でしかない訳ですよ。
こんなの、現実の世界なら「建造物侵入罪」+「窃盗罪」で一発アウトの犯罪行為でしかありません。

これはクールな主人公らしからぬ変態行為ですな…

そうだな……
だからこそ僕は後述する“クラウド犯人説”について怪しいと思っているぞ!
この『ちょっと背伸びパンツ』を巡って、原作版FF7の発売当初から様々な議論が交わされてきました。
…が、筆者が本記事で深掘りしたいのは「誰がティファのパンツを盗んだのか?」という点です。
いやいや、クラウドに決まっているだろ?
…と思っている人も多いかもしれませんが、そのように解釈するのは早計です。
FF7プレイヤーならば知っての通り、カームでの回想シーンには“虚偽”が含まれています。
そもそも、回想シーン自体が「クラウドの記憶」と「ザックスの記憶」が混ざり合って生まれた産物ですからね。
よって、ティファのパンツを盗んだのは必ずしもクラウドとは言い切れないのです。
では、伝説の迷アイテム『ちょっと背伸びパンツ』を盗んだのは誰なのか?
このパンツ関連の真実について、FF7マニアの筆者が全力で考察していきます。
初めに:『ちょっと背伸びパンツ』とは何なのか?

まずはパンツについて語らせてくれ
カームでのクラウドの回想シーン中に、洋服ダンスを調べると見つかる。
当時15歳だったティファのものにしては、大人びたデザイン。
引用:FINAL FANTASY Ⅶ アルティマニアΩ 275ページより
先述した通り、この『ちょっと背伸びパンツ』はカームでの回想イベントでのみ登場します。
しかしながら、このパンツ云々のイベントは完全に“任意”です。
…と言うか、そもそも箪笥の前でボタンを押して調べようという発想すら湧かないでしょう。
宝箱が置かれている訳でもない。
光ったり、目立ったりしている訳でもない。
こんな具合に、この『ちょっと背伸びパンツ』に関してはヒントも伏線も一切ない訳です。
そのため、初回プレイで『ちょっと背伸びパンツ』の存在に気付いた人は、かなり少数派だったはずです。
ところが!!!
1997年の10月に海外版FF7をリニューアルした「FF7インターナショナル」が日本国内で発売した途端、この『ちょっと背伸びパンツ』の存在が世の中に知れ渡り、一躍有名となったのです!!
実は「FF7インターナショナル」は単なる海外版のリニューアル作品ではなく、オマケのディスクが付属しています。
このオマケディスクの特典の1つとして、世界各地のマップを調べて小物を閲覧できる機能があるのです。
ここまで書けば既にお分かりかと思いますが、このオマケディスクによってティファの『ちょっと背伸びパンツ』の具体像が明らかになったのです。

筆者が幾度となくプレイしたPS版のFF7(白がオリジナル版、青がインターナショナル版)

インターナショナル版の“オマケディスク”がコレである

こうして『ちょっと背伸びパンツ』の存在が世に知れ渡ったのである
原作版FF7では『ちょっと背伸びパンツ』という文字だけで、実際にはどのような見た目のパンツなのかは不明でした。
何が“ちょっと”なのか?
何が“背伸び”なのか?
普通のパンツと何が違うのか?
…みたいな感じでFF7プレイヤーは悶々としたのですが、この「FF7インターナショナル」の発売によって『ちょっと背伸びパンツ』の実像が判明したという訳です。

当時の僕は小学生だったので、このパンツをTV画面で初めて見た時は衝撃的だったよ…

色褪せない“思い出の1ページ”ということですな!
ちなみにですが、パンツ云々における「ちょっと背伸び」とは「大人になりたいティファの心情」を表しているというのが通説です。
15歳くらいの女の子が『ちょっと背伸びパンツ』みたいな下着を好むかどうかはさて置き、当時のティファとしては大人に近付きたくて“背伸び”をしたかったのは間違いないのでしょう。
そんな尊いティファのパンツを!!
白昼堂々と盗んだ!!
羨ましい下衆野郎がいる!!
…ということで、この記事の本題に戻ろうと思います。
カームでの回想シーンでは、下記の順番によって犯行が行われています。
②ティファの部屋に入る
③箪笥を調べる
④パンツを発見する
⑤パンツを懐にしまい込む
②や③の時点でも十分に酷いのですが、特に問題なのが⑤です。
この⑤の場面において、犯人は明らかに懐(ポケット?)にパンツをしまい込む仕草をしています。
つまり、犯人はパンツを鑑賞するだけでは飽き足らず、パンツを持ち帰るという選択をしたのです。
パンツ泥棒、ここに極まれり。
FF7どころか、FFシリーズ全体を見渡しても類まれな羨ましい卑劣な犯行です。
それでは、この許し難い①~⑤の行為について改めて振り返ってみましょう。
“家探し”をするのは、RPGにおける基本です。
それはFFも然り、ドラクエも然り、その他のRPGも然りです。
しかしながら、ヒロインの自室からパンツを盗むのは、いくら何でも度が過ぎています。
だからこそ、ここで疑問符が付く訳です。
陰キャで、童貞で、女性経験など皆無なクラウド。
根暗ウド。
クラウ童貞。
インターネット上では、このように揶揄されることすらあるクラウド。
10代前半の頃にニブルヘイムから出奔し、なおかつ16歳まで男臭い軍隊の中で過ごし、それ以降はセフィロス・コピー実験の一環で魔晄付けにされ、本編開始の直前まで意識が朦朧としたままザックスとの逃避行に明け暮れていたクラウド。
そんなクラウドに、パンツを盗むほどの度胸があるのか?
そもそも、ティファの部屋に入るだけの勇気があるのか?
…という訳で、ここから先はクラウドが抱えている事情を踏まえつつ、パンツ泥棒の手掛かりについて検証していきます。
パンツを盗んだ犯人に関する考察

5年前に起きたロックハート邸でのパンツ窃盗事件について申し開きするクラウド・ストライフ容疑者
先述したように、カームでの回想イベントはクラウドとザックスの行動・発言・記憶が混ざり合った状態で描かれています。
これはクラウドの中にあるジェノバ細胞が「相手の記憶に合わせて自分自身を変化させる」という擬態能力によって、クラウドにとっての「理想のソルジャー像(=ザックス)」を演じているためですね。
平たく言えば、ザックスの記憶なり行動なりを“自分の過去”として“思い込んでいる”という状態ですね。
そんな訳で、回想時はザックスの視点で物事が語られている部分が多いです。
その一方で、断片的にですがクラウドの行動&記憶も描かれています。
これはストーリー後半におけるクラウド自身の発言からも明らかです。
クラウド曰く、ストーリー序盤~中盤における人格は“幻想”とのこと。
そうは言っても、回想イベントで語られた全てが純度100%の“幻想”という訳でもない。
…であれば、結局のところ『ちょっと背伸びパンツ』に関する描写は何だったのか?
クラウドか、あるいはザックスが実際にパンツを盗んだのか?
それとも、パンツの件はクラウドの妄想に過ぎないのか?
…という訳で、パンツ云々の可能性については以下の3パターンが考えられます。
その2:ザックス犯人説
その3:クラウド妄想説
これらの可能性について検証する上で、繰り返しになりますが回想イベントでは“幻想”と“真実”が入り交じっている点について留意する必要があります。
ぶっちゃけた話、どこまでが“真実”で、どこからが“幻想”なのか。
両者の見分けは容易ではなく、だからこそパンツ云々に関する考察は難しいとも言えます。
しかし、難しいとはいえFF7本編あるいは派生作品の描写から、より“真実”に近付くことは可能です。
さて、前置きが長くなりましたが、ここから先はパンツ泥棒の実像について本格的に迫っていきます。

いつものように、この記事のモットーは“論より証拠”だよ!

それにしても、こんなしょーもないネタを真剣に考察している管理人殿にはマジで感服するであります…

まあ、褒め言葉と受け取っておこうか…
① クラウド犯人説(可能性:無)

パンツ窃盗の動機について全否定するクラウド・ストライフ容疑者
初めに筆者の私見を述べますが、クラウドがパンツ泥棒である可能性はゼロだと考えています。
敢えて強調させてもらいますが、この「クラウド犯人説」については“可能性が低い”のではなく“皆無”なのです。
つまり、完全なるゼロという訳ですね。
もちろん、筆者とて何の根拠もなくこのような持論を展開している訳ではありません。
クラウドがパンツ泥棒ではないと断言できる程の明確な根拠。
それはストーリー後半でクラウド自身が述べている「恥ずかしくて誰にも会いたくなかった」という部分です。
「ソルジャーになりたい」という夢は叶わず、ただの一般兵として煩悶としていたクラウド。
クラウド自身が述懐しているように、この時のクラウドはニブルヘイムの誰とも会いたくない状態です。
ましてや、その中でもティファにだけは絶対に会いたくなかったはずです。
その理由は単純明快で「ソルジャーになれなかった格好悪い自分」を見られたくないためです。
その証拠に、クラウドは自分の正体を明かすことなくティファに接しています。
2年振りの故郷だというのにヘルメットを被って顔を隠し、自分の正体について気付かれないようにするという徹底ぶり。
このことから、クラウドの胸中がいかに複雑だったかが窺えます。

パンツ泥棒について考える際、これは留意するべき事実だと思っているぞ!

もしこんな精神状態でパンツを盗んだのだとしたら、マジで狂気の沙汰ですな…
その他にも、クラウドがパンツ泥棒ではないことを裏付ける有力な情報があります。
それは、ザックスが自由行動をしている間、クラウドはニブルヘイム内で警備を行っているという点です。
派生作品の1つ「FF7CC」では、一般兵であるクラウドが村内にて警備に勤しんでいる様子が描かれています。
この時の台詞をよく見てみると、実は原作版FF7でもクラウドは村内の警備を行っていたことが分かります。
一応、この時のクラウドはセフィロスから「家族や知り合いと会ってきても構わない」と言われている状況ですが、基本的には業務優先で行動していることが窺えます。
(※原作版FF7の描写から察するに、実家には顔を出したようですが。)
つまり、5年間におけるクラウドの立場と心情から考えるに、ティファのパンツを盗むなどという犯行に及んだとは到底考えられません。
いや、パンツを盗むどころかティファの家に入ってすらいないという推測が成り立ちます。
私人としては、ティファを含むニブルヘイム村民に“会いたくない”と思っている。
公人としては、ニブルヘイム内での警備活動を優先して行動している。
公私両面においてこれだけの条件が揃っているのだから、パンツ窃盗に関する「クラウド犯人説」は否定せざるを得ない。
…というのが筆者なりの考えです。
その他に敢えて付け加えるとしたら、繰り返しになりますけどクラウドは「陰キャ」かつ「童貞」であるという点です。
当時16歳の陰キャな童貞に、幼馴染である美少女のパンツを盗むだけの度胸があるでしょうか?
いやいや、どう考えても無理ですよね。
以上の理由により、パンツ泥棒に関する「クラウド犯人説」は否定せざるを得ません。
そんな訳で、これらの事実について念頭に置きながら、別のパンツ泥棒容疑者について考えていこうと思います。
② ザックス犯人説(可能性:高)

身に覚えのないパンツ窃盗の記憶について訝しむクラウド・ストライフ容疑者
今回も先に結論を述べますが、パンツ泥棒の真犯人はザックスであると筆者は考えています。
なぜなら、ザックスであればパンツを盗んだ犯人だとしても違和感が無いからです。
こんな持論を展開したらザックスファンの人々に怒られそうですけど、そんなことは承知の上でこのような意見を述べています。
何を隠そう、ザックスがパンツ泥棒であることを疑われても仕方がない描写があるのですから。

非の打ち所がないイケメンであるザックス殿に、そのような後ろ暗い部分が存在するでありますか?

それが、実はあるんだよ…
パンツの件と関連性が高い描写がな!!
実はですね、原作版FF7におけるザックスには【“女好き”という設定】があります。
古参のFF7プレイヤーならば知っての通り、ザックスはクラウドとは正反対と言って良いほどのプレイボーイなのです。
これはエアリスの発言、そしてザックス自身の発言からも明らかです。
陽キャで、軟派で、ガールフレンドが多数いるモテ男。
これこそが原作版FF7におけるザックスの実像です。
FF7CCやFF7リメイクシリーズでは、まさに“エアリス一筋”といったザックスの姿が描かれています。
しかし、原作版FF7だと“エアリス一筋”とは無縁の人物として描かれているのです。
つまり「原作版FF7のザックス」と「他作品のザックス」では “似て非なる人物”なんですよね。
では、一体なぜこのような現象が引き起こされたのか?
これはFF7CC以降の作品で主人公級に抜擢されてしまったことで、プレイヤーから反感を買わないための改変であると考えられます。

原作版FF7プレイヤーにとって、ザックスの性格改変には違和感を禁じ得ないよ…

フィクションにおける“女好き”とは、脇役だからこそ許される節がありますからな…
FF7に登場するザックスの性格が改変された理由について考察する!
それでは、パンツの件に話を戻しましょう。
ゲーム内の描写を見た限りだと、ザックスはニブルヘイムに到着して間もなくティファと知り合っています。
ニブル山への出発直前のタイミングで、ザックスとティファはお互いに面識がある状態ですからね。
そして、ここからが「ザックス犯人説」の本題です。
“女好き”のザックスは、ティファに対してどのような印象を抱いたのか。
それは定かではありませんが、ザックスが“女好き”であるという設定を踏まえると「こんな田舎に15歳くらいの可愛い子がいたぜ!おっしゃあ!!」みたいな感覚だったのではないでしょうか。
少なくとも、悪印象ではなかったと推察されます。
そして、ザックスがティファの家に侵入した動機。
これについては不明な部分が多いですが、RPGによくある“家探し”の一環だったとすれば、それなりに納得できる理由ではあります。
少なくとも、クラウドが血迷ってティファ宅を訪問したと考えるよりは、遥かに現実味がある説だと言えるでしょう。
そして、ザックスがパンツ泥棒であると仮定した場合、一連のパンツイベントについて腑に落ちる要素が多数あります。
繰り返しになりますが、ザックスは“女好き”かつ“モテ男”です。
そんなザックスであれば、たとえ偶然だとしてもパンツを発見した程度では全く動じないでしょう。
むしろ「おっ!こりゃラッキーだぜ!」みたいな反応を示すのではないでしょうか?
その後に続くパンツを懐にしまい込む仕草についても、“女好き”であるが故の行為であると解釈すれば合点がいきます。
…と言うか、この場面では「パンツ1枚くらいで騒ぐんじゃねーよ!」とでも言わんばかりの余裕すら感じます。
“女好き”かつ“モテ男”のザックスにとって、女性のパンツなんて見慣れたもの。
むしろ、パンツの詳細を観察して楽しむなんて当たり前。
普段の日常と変わらない、パンツという名の布切れに目が留まっただけのこと。
しかしながら、せっかく発見したパンツに対して何もしないのは勿体ない。
だったら、取りあえずパンツを拝借しておこうか。
…みたいな感覚でパンツを盗んだとするならば、パンツ泥棒の一件も腹落ちすると言うものです。

こんなの、クラウドには100%無理な芸当だな…

童貞のクラウド殿であれば、パンツを見た瞬間にパニックを起こしそうですからな…
さらに興味深いのは、パンツの形容詞として“ちょっと背伸び”という文言が付随している点です。
何が“ちょっと”なのか?
何が“背伸び”なのか?
これらの文言がザックス視点での解釈だったと仮定すると、これまた色々な部分が腑に落ちます。
目の前にあるティファのパンツと、ザックスが今までに付き合った(あるいは性交渉を持った)女性たちのパンツ。
ザックスなりに両者を比較した上での“パンツ評価”だとすれば、非常にシックリきます。
当時15歳だったティファにしては大人びた(=“背伸び”している)パンツである。
ザックスがそのように解釈したからこそ、ゲーム内では『ちょっと背伸びパンツ』という名称で表示されたのではないでしょうか?
FF7屈指のモテ男・ザックスが蓄えてきた“パンツ経験値”。
数多の女性たちと関わった中で培われた経験が、ティファのパンツを見た瞬間に“評価”を下した。
そのように考えると得心がいくというものです。

管理人殿……
自分はザックス殿への嫉妬で気が狂いそうであります!!

ああ……
これがFF7を代表する“モテ男”の面目躍如といったところか…
クラウドには実行できないであろう事柄について、ザックスであれば易々と実行できる。
それだけに留まらず、傍目から見ている限りでは、ザックスはクラウド以上にパンツを盗むための要件が揃っている。
それは、性格も然り。
そして、状況も然り。
よって、本当の“パンツ泥棒”はザックスである。
これが筆者なりの結論です。
(※ただし異論は認めますので、ザックス犯人説について異議がある読者さんはコメント欄へどうぞ。)
③ クラウド妄想説(可能性:低)

ロックハート邸から盗まれたパンツについて“妄想”するクラウド・ストライフ容疑者
回想イベントで語られた「ちょっと背伸びパンツ」とは、実はクラウドの“妄想”による産物である。
それがこの「クラウド妄想説」の趣旨です。
ティファの部屋に入ったこと。
部屋の箪笥を漁ってパンツを発見したこと。
そのパンツを懐にしまい込んだこと。
これら全てが、クラウドの“妄想”による産物に過ぎなかった。
クラウドも、ザックスも、そもそもティファの家に入ってすらいなかった。
…という可能性は決してゼロではない、という考え方ですね。
しかしながら、先述した「ザックス犯人説」よりも信憑度は低いと筆者は考えています。
なぜなら、パンツの件が“妄想”だとすると辻褄が合わない点が出てくるからです。
回想シーンにおいて、犯人はパンツを盗むタイミングと前後して、ティファ宛の手紙を読んだり、ピアノを弾いたりするという奇行(?)にも及んでいます。
特に、手紙についてはプレイヤーの選択肢次第ではありますが、書かれている内容を一字一句に至るまで正確に記憶しています。
こんな具体的な記憶が“妄想”の一言で片付けられるでしょうか?
いやいや、そんなことはないと筆者は思う訳です。
クラウドにせよ、ザックスにせよ、誰かがティファの部屋に入った。
そして、パンツを盗むなり、手紙を読むなり、ピアノを弾くなりした。
そのような“事実”があるからこそ、クラウドの中にあるジェノバ細胞が“事実”を歪曲し、カームでの回想シーンが生まれた。
そのように考えると筋が通ります。
…で、誰がティファの部屋に入って犯行に及んだかと言うと、その筆頭候補はザックスになる訳ですよ。

消去法で考えると、パンツ泥棒の容疑者はザックスだけに絞られるのだ!

いやいや、状況証拠だけでザックス殿を犯人扱いするのは早計ではありませぬか?
結局のところ、パンツ泥棒の犯人はザックスで確定なのか?
この問いに対して“Yes”と答える前に、もう少しばかり「クラウド妄想説」について検証してみようと思います。
さて、ここで改めて注目するべきジェノバ細胞の存在です。
再三のことで恐縮ですけど、クラウドの疑似人格が形成されたのはジェノバ細胞の影響によるものです。
ジェノバには“相手の記憶に合わせて自分自身を変化させる”というトンデモ能力があります。
これはジェノバ本体だけではなく、ジェノバ細胞を持つ者にも不完全ながら備わっている能力です。
平たく言えば“擬態能力”ですね。

ストーリー後半で明かされたクラウドの根幹に関わる「ジェノバの擬態能力」

パンツ窃盗の場面は「ジェノバ細胞」が「ティファのパンツの記憶」に合わせて捏造したものなのか…?
ジェノバは他者の記憶や感情を読み取り、それに合わせて外見や声、言動を変化させるという「擬態能力」を持つ。
かつてジェノバはこの能力を用いて古代種たちに近付き、ウイルスを植え付けて彼らを死に至らしめていった。
引用:FINAL FANTASY Ⅶ アルティマニアΩ 211ページより
この擬態能力について深読みしていくと、先述した「クラウド妄想説」については異なる角度からの解釈が可能となります。
ザックスの死後、クラウドが七番街スラムの駅でティファと再会した時のことです。
この場面において、クラウドの中にあるジェノバ細胞がティファの記憶を読み取る描写があります。
この“記憶の読み取り”によってクラウドの疑似人格が形成された訳ですが…
この時、ジェノバ細胞が“ティファのパンツに関する記憶”までも読み取ったのだとしたら?
そう考えると、パンツ云々について100%クラウドの妄想だとは言い切れなくなります。
クラウド自身は、ティファのパンツを見たことも触ったこともない。
つまり、作中で登場した『ちょっと背伸びパンツ』の存在など知る由もない。
それは間違いない。
なのに、クラウドの頭の中ではパンツの詳細像が浮かび上がるときた。
なぜなら、ジェノバ細胞がティファの記憶を読み取ったから。
そう、ティファが“背伸び”していた頃のパンツの記憶を!!
…とまあ、そんな解釈も不可能ではない訳です。

ティファがクラウドについて「知らないはずのことを知っている」と述べる場面があるが、あれはパンツの件を指していたのか…!!

管理人殿…
よくもそんなアホらしい考察が出来るでありますな…

精神が破綻して廃人同然だったクラウドだが、ティファと再会したことで心身への変化が起きた

ジェノバ細胞がティファの記憶を読み取り、ここで初めて疑似人格が形成された訳だが…

急に元気になったかと思いきや、多種多様な“妄言”を吐くクラウドに対して不信感を募らせるティファ

ここでティファが述べた“ちょっと変”の中には、もしかするとパンツの一件も含まれていた…かも?

とても真面目なシーンなのに、パンツのことを指して述懐しているかと思うとシュールである…
ジェノバ細胞の能力によって形成されたクラウドの疑似人格。
その経緯について読み解く際、極めて重要となるティファの独白。
この独白について深読みすると、実はパンツの一件においても意味を帯びてくる訳です。
…とはいえ、この「クラウド妄想説・異説ver」にも複数の“穴”があります。
第一に、クラウドの脳内にティファのパンツ関連の記憶があるとはいえ、わざわざ“パンツを盗む”という記憶まで捏造するのは不自然です。
第二に、先述した手紙やピアノの件について“覚えている”のも奇妙です。
特に、ピアノ関連の描写については疑問符が付きます。
回想シーンでピアノを弾こうとするクラウドを見た限りだと、明らかに鍵盤慣れしていない様子が窺えます。
ピアノを嗜んでいたティファの記憶を読み取り、自分にとって都合の良いように記憶を捏造したのならば、クラウドはティファの記憶に沿ってピアノを楽々と弾く様子を“回想”したことでしょう。
クラウドがティファと再会した際、パンツの記憶は読み取ったけど、ピアノの記憶は読み取らなかった。
ジェノバがパンツ好きのけしからん宇宙生物だと仮定するならば、そのような解釈も不可能ではありません。
…が、このような考え方は不自然だと言わざるを得ません。
(※そもそもジェノバは【破壊と殺戮にしか興味がない生物】であり、パンツに関心があるとは到底思えない。)
こんな具合に、パンツ云々についてジェノバ細胞の影響があったと仮定した場合でも、やはり“クラウドの妄想”で片付けるには腑に落ちない要素がある訳です。
よって、この「クラウド妄想説」の信憑度は極めて低い。
可能性がゼロだとは言えないけど、限りなくゼロに近い。
これが筆者なりの見解です。
まとめ:“パンツ泥棒”はザックスである可能性が高い

ロックハート邸でのパンツ窃盗事件について必死に弁明するクラウド・ストライフ容疑者
主人公の視点で語られるカームでの回想シーン。
そこで“ヒロインのパンツを盗む”などという大罪を犯した主人公。
この場面だけを切り取って見ると、あたかもクラウドがパンツ泥棒であるように思える訳ですが…
FF7のストーリーを深部まで読み解いていくと、クラウドがパンツ泥棒である筈がないことがよく分ります。
クラウドの行動、性格、立場。
これらを1つずつ検証していくと、クラウドが『ちょっと背伸びパンツ』に関与していたとは到底考えられないのです。
では、本当のパンツ泥棒は誰なのか?
それはFF7屈指のモテ男・ザックスである可能性が極めて高い。
…と言うか、パンツ云々についてザックス以外に容疑者がいないのです。
FF7CCやリメイクシリーズの“硬派”なザックスならばともかく、原作版FF7の“軟派”なザックスであれば、パンツを盗むくらいのことはやりかねない。
…で、何かのギャグ漫画みたいに盗んだパンツを誰かに自慢して有頂天になったりとか。
そのような構図が想像できるくらいには、原作版FF7のザックスは良くも悪くも“チャラい人物”として描かれています。
何なら、もしパンツを盗んだことがバレたとしても、原作版FF7のザックスならば「いやぁ~悪い悪い!」とか言って許されそうな雰囲気すらあります。
(※実際にティファがパンツ窃盗について許すかどうかは別問題ですが。)

こりゃティファのリミット技「ドルフィンブロウ」でザックスの顎は粉砕骨折コースかな…

いやいや、究極リミット技「ファイナルヘヴン」を腹に打ち込まれて内臓破裂コースであります!
かつてFF7をプレイした青少年たちの想像力を大いに刺激し、そしてリミットブレイク(?)させた『ちょっと背伸びパンツ』。
ギャグアイテムと呼ぶには、あまりにも有名になり過ぎたパンツ。
パンツの持ち主であるティファにとっては迷惑極まりない話でしょうけど、このパンツが世の中に知れ渡ったのはザックスの功績(?)と言えるかもしれません。
それでは与太話はこのくらいにして、そろそろ筆を置こうと思います。
最後まで読んで頂きまして、ありがとうございました!
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