こんにちは、FF7マニアのユウです!
今回はFF7リバースに登場する元タークス『シスネ』について語っていきます。
まず初めにお伝えしておきますが、筆者はシスネに関して少しばかり煩い人間です。
…と言うのもですね、筆者は“シスネ推し”の人間なんですよ!!
どのくらい推しているかと言うと、趣味で【こんな小説】を執筆してしまったくらい。
もうね、このシスネというキャラクターは知れば知るほど“イイ女”なんですよ。
冗談抜きで、仲間キャラの一人としてクラウド一行に加わってほしいくらいです。
マジで。

シスネ殿に入れ込む気持ちは理解できましたが、こんな長文記事を書くほどの情熱は一体どこから湧いてくるでありますか?

うーん、情熱か…
やっぱりFF7CCでのヒロイン的な描写による影響がデカいかな…?
ティファやエアリスと比較しても見劣りしないルックス。
元タークスということで非常に高い戦闘能力。
そして何より、FF7シリーズでは“準主役級”として名高いザックスとの関係性。
どれもこれも、脇役にしておくには惜しいくらいの素質を持っている人物。
それが、シスネというキャラクターなのです。
【FF7CC】女性タークス『シスネ』の魅力について語りたい!
そんなシスネですが、何とFF7リメイクシリーズの2作目「REBIRTH」にて登場しました!
しかも、ザックスの故郷であるゴンガガで!!
シスネが登場した過去作である「FF7BC」「FF7CC」をリアルタイムでプレイした筆者にとっては、まさに幸甚の至り。
スクエニの最新技術によって美人度がアップしただけに留まらず、ゴンガガで“第二の人生”を歩んでいるという設定が秀逸と言う他ないときた。
そんな訳で、FF7リバースの9章(ゴンガガ編)における筆者の興奮度はマジでストップ高でした。

発売直前のPVでシスネが登場した時から「ゴンガガ編」には期待していたが…この件についてスクエニはマジで良い仕事をしたと思っている
詳しくは後述しますけど、シスネがゴンガガに移住したこと自体が、まさにFFらしい人間ドラマの極致なんですよ。
そのように断言できるくらいには、シスネの背後事情にはストーリー性がある訳です。
しかし!!!
FF7リバースをプレイした現実の友人知人に話を聞くと、シスネの存在自体をロクに知らない節があるではないか。
いや、百歩譲って“知らない”くらいなら許せる。
FF7は派生作品が多い関係上、各作品の設定が複雑に絡み合っていて、ストーリーを理解しにくい側面があるのは否めないので。
だが!!!
「シスネとかいうポッと出のキャラクターとか要らないんだけど」
…なとと平気で抜かす人間が少なからず存在しているではないか!!!
これ程までに魅力とストーリー性に溢れた真ヒロイン脇役を!!
その辺のモブと一緒くたにするとは!!

全く、言語道断である!!!
…という訳で、ここからは“シスネを推し”を自称している筆者が、全力でリメイク版におけるシスネの魅力について語っていこうと思います。
少しばかり熱くなってしまいましたが、この先の文章は冷静かつ丁寧に書いていますので、シスネについて理解を深めたい人は是非とも一読ください!
初めに:シスネがゴンガガに移住した理由とは?

ゴンガガの復興支援のために移住したこと自体は嘘ではないのだが、それは「建前」であり真相は異なる
FF7リバースの作中において、シスネがゴンガガに移住した理由については明言されていません。
FF7リバースの【公式サイト】でも「魔晄炉爆破事故の復興支援のために村を訪れ、そのまま移住する」と紹介されているだけ。
何だ、この紹介文は?
…などと思ったプレイヤーは少なくないでしょう。
かくいう筆者自身、この文章を初めて読んだ時は少しばかり混乱しました。
魔晄炉爆破事故の復興支援?
FF7BCやFF7CCで、シスネ関連でそんな描写があったか?
…みたいな感じで。
しかし、FF7関連の派生作品の時系列を整理し、なおかつザックスとシスネの会話を細部まで読み解いていくと、シスネの真意が見えてきます。

FF7BCとFF7CCをプレイしていないと、この流れを100%理解するのは不可能であります!

シスネに限ったことではないけど、派生作品の多さが仇になっているのは否定できないな…
シスネはFF7本編の開始直前(=FF7BCの終盤)に伝説の召喚獣「ジルコニアエイド」と戦い、その後はタークスを“殉職”しています。
(※この“殉職”はあくまで表向きの事情であり、実際にはFF7リバースの通り生きていますが。)
タークスという居場所を失い、人生で初めて“自由”を得たシスネ。
その一方で、シスネは天涯孤独の身であり、故郷と呼べるような場所は存在しません。
親はなく、兄弟もいない。
当然ながら、帰るべき故郷など無い。
唯一の居場所であったタークス(神羅)からも、表向きにとはいえ見放されてしまった。
良く言えば“自由”だけど、悪く言うならば“孤独”な状態。
それがFF7BCやFF7CCのエンディング以降におけるシスネの立ち位置なんですよね。
では、そろそろ本題へと入りましょう。
シスネは“殉職”した後、なぜゴンガガに来たのか?
何を差し置いてでも、ゴンガガに行くべき理由があったのか?
…という訳で、FF7CCプレイヤーであればピンと来たのではないでしょうか?
これは一言でまとめると、ザックスとの約束を守るためです。
つまり、公式サイトで紹介されている「復興支援」とは建前であり、本音は「ザックスのため」なんですよね。
いやいや、ちょっと待て。
ザックスとの約束?
いくら何でも、話が飛躍し過ぎでは?
…と思う人もいるかもしれませんが、シスネがゴンガガに移住する伏線はFF7CCの頃から存在しています。
FF7CCプレイヤーであれば知っての通り、ストーリーの終盤(9章)でザックスはゴンガガを訪れます。
その際にシスネが登場し、ザックスの身を案じて逃げるように忠告するのですが…
この場面をよくよく見ると、シスネがゴンガガに移住する“呼び水”となったやり取りがあります。
それがこちらです。

逃亡生活中の自分に代わって“両親の話し相手”を依頼するザックス

ザックスからの依頼を快諾したシスネ
ザックスの両親――つまりフェア夫妻のことですね。
逃亡生活中で実家までマークされている自分は、両親に会いに行くことはできない。
神羅の追手が迫っているにも関わらず、もし自分が実家に行ったらどうなるか?
両親に危害が及ぶ可能性は、決して低くはない。
そんな状況だからこそ、ザックスは両親に対して色々と思うところがあったのでしょう。
寂しがっているのではないか?
心配しているのではないか?
自分は、親不孝者ではないか?
このような感情が去来し、思考が逡巡した。
そんな風に見える場面です。
そんな訳で、今の自分には出来ないこと――つまり両親の “話し相手”になることをシスネに依頼したという流れですね。
この時、ザックスがどの程度の本気度でシスネに“話し相手”を頼んだのか、それは分かりません。
雑談の延長のようにも見えるし、割とガチで頼んでいるようにも見える。
でも、両親の“話し相手”って結構重い役目ですよね。
頼まれた側のシスネにしても、この“話し相手”という役目が持つ意味については即座に理解したはずです。
でも、シスネは断るどころか、二つ返事で了承した。
ザックスに負い目を感じさせないように、敢えて軽い口調で。
ちょっとした軽口のようにも見えるやり取りですが、この約束がFF7リバースでの描写へと繋がっていく訳ですね。

だからと言って、シスネ殿がゴンガガに“移住”までする必要は無いのでは?

いや、シスネを取り巻く状況を考えると“移住”がベストな選択だったと思うぞ!
ザックスから頼まれた通り、ただ単にフェア夫妻の“話し相手”を務めるだけならば、それを実行するための選択肢は複数あったはずです。
例えば、ゴンガガには住まずにフェア夫妻のもとへ定期的に顔を出す…とか。
しかし、シスネは自らゴンガガに移住するという選択をしています。
もしシスネが現役のタークスとして活動していたのなら、おそらく移住まではしていないでしょう。
(※そもそもタークスはミッドガルやジュノンを拠点として動くのが当然の部署なので、ゴンガガに住むことは立場的に不可能だったと考えられる。)
しかしながら、先述した通りシスネは表向きには“殉職”している状態です。
むしろ、神羅から離れて生活せざるを得ない状態です。
そして、ザックスと交わした“両親の話し相手になる”という約束。
これらの事情が重なり合い、シスネは“ゴンガガに移住する”という選択こそが最も理に適っていると判断したのはないでしょうか?
付け加えると、シスネはザックスが死亡したことを知っており、その事実について負い目を感じている節もあります。

「人生の一部を奪ってしまった」とは「タークスという立場上、ザックスと敵対せざるを得なかった」ことを指している
ザックスが死亡したことについて、シスネの落ち度は全くありません。
しかし、当時のシスネはタークスの一員としてザックス(=逃亡中のサンプル)を追う側の人間であったことも事実。
ザックス&クラウドの逃避行を陰から援助するのが精一杯で、それ以上のことは何も出来なかった。
その無力感や罪悪感が、今でもシスネを苦しめているのではないでしょうか?
詳しくは後述しますが、FF7リバースでのシスネはゴンガガ青年団(自警団みたいなグループ)の団長として活動しています。
シスネが団長という役職に就いているのは、ただ単に戦闘技術に長けているからではなく、ザックスが死亡したという事情も関わっているように思えます。
ザックス亡き後、ザックスの両親の“話し相手”を務め、ザックスの故郷を守るべく尽力する。
つまり、ゴンガガで生活すること自体がザックスに対しての義理であり、贖罪なのでしょう。

FF7CCの頃もそうでしたが、ザックス殿とシスネ殿の関係性は本当に深いであります!

ある意味、シスネはエアリス以上にザックスの影響を受けた人物なのかもしれない…
ゴンガガでの生活風景について

普段はゴンガガ青年団のリーダーを務めている“凛々しいお姉さん”だが…

プライベートでは料理に苦戦するという意外な(?)一面が垣間見えるシスネ
ある時は青年団の団長として、モンスター退治に精を出す。
ある時は料理に励み、成功と失敗(?)を繰り返す。
ある時はフェア夫妻の“話し相手”となり、ザックスとの約束を履行する。
…といった具合に公私ともに充実した生活を送っているシスネ。
FF7BCやFF7CCでは仕事をバリバリこなす“クールなお姉さん”といった様相であり、何と言うか“隙のなさ”みたいなものが窺える面立ちでした。
その一方で、ゴンガガに移住した後は柔和な雰囲気が目立つようになりました。
特に、サブクエスト「ヒミツの隠し味」においては過去作では見られなかったギャグ的な姿が描かれています。

こんなシスネ、見たことない!!
…みたいな感じで、FF7BCとFF7CCのシスネを知っている筆者としては良い意味で驚きました。
超絶激務のタークスから離れたことで、精神的な余裕が増したということなのでしょうね。
言い換えると、タークスでの仕事がシスネにとっては重荷だったという見方も出来ます。
それでは前置きはこのくらいにして、ゴンガガで生活しているシスネ関連の描写について詳しく見ていこうと思います。
「青年団」という新たな居場所

団長として自ら陣頭に立ってリーダーシップを発揮しているシスネ
FF7リバースの9章で登場した際、自らを「青年団長」と自己紹介したシスネ。
FF7関連の各作品の時系列を整理すると、シスネはゴンガガに移住してから数ヶ月(下手したら数週間)しか経っていません。
…にも関わらず青年団の中では「団長」という役職に就いており、なおかつ団員からの信頼も厚い。
サブクエスト「あこがれの師匠」に至っては、団員がレベルアップするための指導まで提案しています。

元タークスという経歴を考えると「少し」どころか「多く」の戦闘技術を伝授できそうなシスネ

この後、タークス流のトレーニングを団員たちに課したのだろうか…?
ご覧の通り、完全に馴染みまくっています。
ゴンガガみたいに閉鎖的(?)な田舎において、これはかなり珍しいパターンなのではないでしょうか?
何れにしても、移住して数週間~数ヶ月の人間がここまで信頼されるなんて、ハッキリ言って普通じゃないですよね。
ゴンガガに移住した初日に、モンスターの大群を1人で撃退するなどして青年団から一目置かれるようになったのか?
それとも、生来の「人柄の良さ」+「美人」というコンボによって団員から支持を得たのか?
この辺りに関する想像は尽きませんが、これは何だかんだ言ってシスネは能力的にも人格的にも稀有な人物であったことの証拠なのでしょうね。
個人的な戦闘技術に秀でているだけではない。
集団をまとめ上げるリーダーとしての適性もあった。
詰まるところ、そういうことなのでしょう。

そう言えば、FF7CCでザックス殿が「そのうちタークスの主任じゃない?」と褒めていたことがありましたな!

あの何気ないザックスの発言が、まさかザックスの故郷にて形を変えて実現するとはな…

このザックスの発言から5年後、シスネはタークスではなくゴンガガ青年団で“主任”的なポジションに就くのであった…
当のシスネ自身はと言うと、青年団長としての仕事については嫌々ながら取り組むという感じではなく、むしろ充実感を抱いている節があります。
団員たちから信頼されている。
それは即ち、他者から必要とされているのと同義です。
過去作でのシスネを知っている筆者から見ると、タークス時代とは違う意味で活き活きしているって感じがします。
そもそもFF7CCやFF7BCの頃からシスネには「困った者を放っておけない性格」という公式設定がありますからね。
そういった意味でも、ゴンガガ青年団とは相性が良かったと考えられます。
だって、モンスター退治について苦慮している青年団そのものが「困った者」だった訳ですから。
青年団にとってシスネは予期せず現れた救世主であり、シスネにとっては自分の能力や経験を欲してくれる集団だった。
まさに相互補完を行える構図であり、平たく言えばWin–Winの関係って訳ですよ。

青年団と共に“ゴンガガを守ること”自体に意義を見出しているシスネ
タークス時代に培った戦闘技術を駆使して、ゴンガガ周辺のモンスターに対処する。
言葉にすれば簡単な表現ですけど、これはシスネの人生を語る上では注目すべき点なんですよね。
神羅によって幼少の頃から仕込まれた、他者を「殺す」または「傷付ける」ための多種多様な戦闘技術。
そんな血生臭い技術が、ゴンガガに移住してからは他者を「守る」ために活かされている。
これって、筆者からすると地味に感動的なポイントなんですよ。
なぜなら、シスネは幼少の頃から「自分以外は敵と思え」などと教えられて育った人間だからです。

FF7CCの6章で幼少期の経験について少しだけ語ったシスネ
このような軍人的思考を叩き込まれて育ったシスネですが、その一方でタークスには不向きと言わざるを得ない優しさ(あるいは甘さ)を持ち合わせていました。
そんなシスネが、生来の優しさを十二分に発揮できる場所。
それこそがゴンガガ村を守る「青年団」なのですから。

辛く苦しい過去を経て、シスネはようやく“自分が自分らしくいられる場所”へと辿り着いたんだな…

確かに、タークス時代よりも自然な笑顔は増えましたな…
タークス時代よりも幸福度は高そう

ミッドガルよりもゴンガガの方か「豊か」だと思っているシスネ
都会とは比較にならないほどの田舎であるゴンガガ。
街並みも、生活レベルも、住んでいる人々の気質も、何もかもが対照的な場所。
…にも関わらず、シスネは移住して間もないにゴンガガでの生活が気に入っているようです。
「何もないのに豊か」と評している辺りからも、シスネがゴンガガの雰囲気を好んでいることが窺えます。
都会での慌ただしい生活より、田舎で自然と共に過ごす方が性に合っている。
そんな自分自身も気付いていなかった性分について、ゴンガガに移住したことで初めて実感したのかもしれませんね。

まあ、現実の世界でも田舎と都会とで好みが分かれるよな…

過去作でのシスネ殿は“都会のお洒落なお姉さん”みたいな雰囲気でしたが、田舎での生活も意外とイケるタイプだったという訳ですな!
タークス時代は暗殺・護衛・破壊工作といった任務の連続だったシスネ。
神羅の暗部を担っていたタークスだからこそ、常日頃から血生臭さが絶えなかったはずです。
FF7BCではアバランチとの抗争に明け暮れ、FF7CCではジェネシス・コピーの討伐に駆り出されたりなど、過去作で判明しているだけでも相当な激務を経験しています。
しかも、繰り返しになりますがシスネはタークスとして働くには優し過ぎる人物ですので、後ろ暗い任務については気苦労も多かったことと思います。
そんなシスネにとって、ゴンガガでの生活は人生で初めての“平穏”だったのではないでしょうか?

モンスターが現れるという点を除けば、ゴンガガは確かに「自然が豊かでいいところ」なのだろう
先述した通り、ゴンガガ移住後のシスネには青年団長として仕事があります。
モンスターと自ら戦ったり、他の団員たちを指揮したり等々、単純な仕事量だけを見たらタークス時代と大差はないかもしれません。
しかしながら、戦闘があるという点だけを見れば同じでも、戦闘の目的は今昔で大きく異なります。
タークス時代は自分の意志とは関係なく、敵対者を殺すなり捕縛するなり、社益のために働くのみでした。
一方でゴンガガに移住した後は、あくまで自衛のために尽力しています。
誰かから命令されて、私情を排して遂行する任務。
自分自身の意志で、他者を守る目的で臨む仕事。
どちらが精神衛生的に良いかと言うと、当然ながら後者ですよね。
言い換えれば、前者についてはシスネにとって尋常ではないストレスだったことが窺えます。
もし仮にですけど、今でもシスネがタークスに所属していたらミッドガル七番街の爆破の実行役として心に深い傷を負っていた可能性だってありますし。
(※飄々とした人物であるレノですら、7番街プレートの爆破によって多数の死者が出たことについて苦悩していた。)
奇しくもタークスを“殉職”したことで強烈なストレスか解放され、そしてゴンガガの平穏な生活に意義を見出せるくらいの精神的余裕を得たシスネ。
サブクエストでは嬉々として料理に挑戦し、そして時には失敗して年相応の落胆を見せる辺りも、ある意味では精神的な余裕の表れなのかもしれません。
そもそも、サブクエストでの描写を見た限りだと、タークス時代のシスネは食事について特に興味はなかったことが示唆されています。
おそらく、食に興味を持つだけの余裕すら無かったのでしょう。
このことからも、タークス時代のシスネは心身ともに消耗していたことが窺えます。

エアリスが「大事件」と言うほどの失敗をやらかしたシスネ(※料理経験が浅いのだから無理もないのだが…)

そんなシスネだからこそ、料理が上手くいったときの喜びもひとしおなのだ

失敗と成功の両方を経験したことで料理への意欲が増したシスネ

ちなみにタークス時代は「食」についての興味関心は乏しかったようだ

ゴンガガで新鮮な食材を使った料理を経験したことで、タークス時代の食事が酷いものであったことを認識するシスネ
そんなこんなで、衣食住を含む生活環境が激変したシスネ。
何と言うか、本当にゴンガガでの生活が充実しているって感じですね。
筆者から見ても、タークス時代よりも心身ともに健やかな印象を受けます。
(※青年団長の仕事が楽という意味ではなく、タークスの仕事が激務かつ精神的にキツ過ぎるという意味ね。)
確かに、青年団長としてやるべき仕事は多いでしょう。
それでも、タークス時代ほど忙しくはない。
毎日モンスターが現れる訳ではないし、四六時中働いている訳でもない。
それでいて、非人道的なことに手を染める必要性もない。
現実風の言い方をするならば、ワークライフバランスが担保されているってヤツです。

やっぱり、働き過ぎは良くないよ…
心身の健康を損ねてしまったら本末転倒だからな…(経験談)
ザックスの両親との関係性について

FF7リバースの9章で描かれたように、ザックスの両親は息子が既に死亡していることを知らない…
ザックスの両親ことフェア夫妻。
彼らは息子が既に死亡していること知りません。
むしろ、フェア夫妻は息子が“行方不明”であることから、今でも生存を信じています。
その一方で、シスネはどうでしょうか?
言わずもがなですが、シスネはザックスが死亡したことを知っています。

FF7CCのエンディングで、シスネはザックス救出に向かうけど間に合わないんだよなぁ…

シスネ殿を含むタークス一同がザックス殿を発見する前に、ザックス殿と神羅軍の戦いが始まってしまいましたからな…

ツォンの激励も虚しく、この後ザックスは死亡してしまうのだった…
そんなシスネですが、FF7リバースではフェア夫妻と常日頃から交流していることが示唆されています。
いや、この場合は「交流がある」というレベルを通り越して「かなり親しい間柄」と表現する方が適切でしょうか。
なぜかと言うと、サブクエスト「ヒミツの隠し味」をプレイすると分かることですが、シスネ自身がフェア家にて頻繁にご馳走になっていると発言しているからです。
元タークスであるシスネと、ザックスの両親であるフェア夫妻。
一見すると接点が乏しそうな両者ですが、実は彼らの関係性についてFF7CCの頃から伏線が存在しています。
FF7CCの9章で描かれた通り、シスネはゴンガガを訪れた際にフェア夫妻から「息子の嫁にどうだ?」と誘われているのです。

FF7CCのサブヒロインであるシスネの株が爆上がりしたシーンがこちら

この僅かなやり取りによってシスネのヒロイン度は急上昇したのであった
つまり、フェア夫妻にとってシスネへの好感度は初対面の時点で非常に高かった訳です。
シスネがゴンガガへと移住した後、上記の経緯が交流開始の“呼び水”となったのでしょうね。
実際のところ、シスネがフェア夫妻のことを「フェアさん」と呼んでいることからも、両者は親密な関係であることが窺えます。

「いつもフェアさんにご馳走になっている」という発言から想像するに、シスネとフェア夫妻との仲は非常に良好である
それでは、ここでシスネ&フェア夫妻の認識について整理しましょう。
シスネは、ザックスが死亡したことを知っている。
フェア夫妻は、ザックスが死亡したことを知らない。
そして、シスネとフェア夫妻が親しくしていることは間違いない。
このことから何が言えるでしょうか?
そう、シスネはザックスが死亡したという事実を意図的に黙っているです!!
この場合、「黙っている」という部分は「隠している」「知らない振りをしている」と言い換えても良さそうです。
何れにしても、この事実だけを切り取って注目すると、見方によってはシスネが酷い人物に感じられるかもしれません。
息子が既に故人である件について、フェア夫妻に伝えてやれば良いではないか。
息子が行方不明の状態で悶々としているフェア夫妻に対して、元神羅の一員として“真実”を伝えるべきではないのか。
筆者自身、そう思わないでもないです。
しかし!!!
シスネはフェア夫妻の心情を慮って、ザックス死亡の件については敢えて伏せている推測されます。
これまたFF7CC終盤の話ですが、シスネはザックスに対して「ご両親に悲しい報告はできない」と発言しています。
つまり、シスネにとっての最優先事項は「ザックスの両親を悲しませないこと」だと考えられます。

タークスという立場でありながらフェア夫妻への配慮を見せたシスネ

「いいご両親」と評した辺りから察するに、シスネもまた初対面の時点でフェア夫妻に好感を抱いた模様
息子の安否について、不安が絶えないフェア夫妻。
そんなフェア夫妻と関わりつつ、ザックス関連の真相については伏せているシスネ。
この選択が正しいのかどうか、それは筆者にも分かりません。
心を鬼にして息子が死亡していることをフェア夫妻に伝えることは、それはそれで“優しさ”だと言えるでしょう。
でも、そのような展開になったらフェア夫妻が悲しみと絶望のドン底に叩き落されるのは明白です。
それならば、いっそ息子が“行方不明”として認識したままでいる方が、フェア夫妻にとっては幸せなのではないか?
99%の可能性で死亡しているとしても、もしかしたら1%くらいは生存の可能性があるのではないか。
たとえそれが希望的観測だとしても、その1%を信じたまま余生を過ごす方がフェア夫妻にとっては幸福なのではないか?
たとえ僅かだとしても、希望の芽を残しておく。
それこそが、フェア夫妻が息子のことで絶望せずに済む唯一の道なのではないか?
…みたいなことを、もしかしたらシスネは考えているんじゃないですかね。
もしくは、シスネ自身もザックスの死をフェア夫妻に伝えるべきかどうか、今も現在進行形で迷っているとか。

そもそもシスネはゴンガガに移住して数週間~数ヶ月くらいだし、ザックスの件についてまだ心の整理が付いていない可能性も十分にあるしな…

生来の優しさ故に、シスネ殿はフェア夫妻に真実を伝えるべきか躊躇っているのかもしれませんな…
ところで、シスネがフェア夫妻に真実を伝えずに黙っている理由については、別の角度からの解釈も可能です。
これまたサブクエスト「森に迷うもの」をプレイすると判明することですが、シスネ自身もまたザックスに再会したいという願望を抱いています。
当然ながら、ザックスが死亡したことは知っている。
でも、ザックスは死んだ件について今でも信じられない。
だから、ある日いきなり帰ってくるんじゃないかという気がしてならない。
たとえそれが馬鹿げた考え方だとしても、そう願わずにはいられない。
平たく言えば、頭では理解していても、感情が付いてこない…といった状態でしょうか。

ザックスが死んだことについて複雑な心境であることを語るシスネ

言葉尻だけを捉えると、現実主義集団であるタークスに所属していた人間とは思えない発言である

FF7CCでは殆ど語られなかった「シスネ視点でのザックス」について窺い知れる貴重なシーンである
何だかんだ言って、シスネはザックスの死について受け止め切れていないのでしょうね。
本当は死んでいるのに、死んでいないと思いたい。
生きて、いつの日かゴンガガに帰ってきてほしい。
でも、現実は容赦がない。
ゴンガガ周辺の物見塔から周囲を見渡しても、ザックスの姿は見えない。
いくら目を凝らしても、ザックスは見付からない。
だって、ザックスは既にこの世にはいないのだから。
そんな現実が、シスネの心を否応なく打ちのめす。
それでもなお、シスネは目の前の現実に納得できずにいる。
“ザックスは既に死亡している”という目の前に現実に、まだまだ正面からは向き合えそうにない。
もし向き合える時が来るとしても、それは今すぐにではなく、暫く先のことになる。
シスネ自身がそのように考えているからこそ、フェア夫妻に真実を伝えることが出来ずに足踏みしているのかもしれませんね。

何と言うか、FFらしい人間ドラマですなぁ…

本当にそうだな…
脇役にしておくには勿体ないくらいシスネ関連のイベントにはストーリー性があるぞ!!
まとめ:シスネにとってゴンガガでの生活は“第二の人生”である

クラウド一行に「面倒は起こさないでね」と釘を刺すあたり、ゴンガガへの思い入れの強さが窺える

移住してから日が浅いにも関わらず、ゴンガガへの並々ならぬ愛着が垣間見えるシスネ
天涯孤独の身であり、神羅カンパニーから英才教育を施されて育ち、紆余曲折を経てタークスという居場所を失ったシスネ。
良く言えば自由だけど、悪く言うならば孤独でもある。
だからこそ、シスネは“自分なりの故郷”が欲しいという気持ちもあったんじゃないですかね。
FF9風に言えば「いつか帰る場所」とでも表現すれば良いでしょうか。
自分のことを必要としてくれる人たちがいる場所。
自分の帰りを待っている人たちがいる場所。
自分が心の底から帰りたいと思える場所。
つまり“故郷”ですよね。
そんな“故郷”として見定めたのがゴンガガだった。
ザックスと交わした約束が“呼び水”となってゴンガガに流れ着き、そのまま村に定住し、フェア夫妻の“話相手”を務めながら、元タークスとしての経験を活かして村の治安維持に貢献する。
誰かを殺す(または傷付ける)ためではなく、誰かを守るために腕を振るう。
そんな生活が、シスネにとっては性に合っていたのでしょうね。
その証拠に、タークス時代のような険のある表情は殆ど見られないですし。
詰まるところ、ゴンガガでの生活そのものがシスネにとっては“第二の人生”に他ならない。
…とまあ、シスネ推しの筆者はそのように思う訳です。
過去の経験を活かしつつ、目の前にある細やか幸福を噛み締めながら、自然に囲まれながら暮らす。
現実の世界でもよくある、ある意味では理想的な退職生活というヤツですね。

むしろ天涯孤独の身だからこそ、移住先であるゴンガガを守ろうとする意志が強いのかもな…

ザックス殿との“約束”も相まって、こりゃマジで泣ける話ですな…
ちょっとロマンチックは表現になりますけど、シスネにとってゴンガガは“約束の地”なのかもしれませんね。
約束の地。
至上の幸福があるとされる、星が定めた場所。
古代種が、長く辛い旅の末に見出すとされる土地。
当然ながらシスネは古代種ではありませんが、シスネもまた過酷な人生の旅路を経て安住の地を見付けた。
…などと考えてみると、FF7BCやFF7CCをプレイした筆者としては感慨深いものがあります。
FF7の世界観に沿ってシスネの人生を紐解いていくと、このような解釈も可能なのかなぁと思う訳です。
最後まで読んで頂きまして、ありがとうございました!
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