キングダムハーツ(長編小説)

【長編小説】ノーバディの運命 第10話:レイディアントガーデンの歴史

偉人の言葉 後世の者達にこの世界の起源を伝えるべく、此処に我が歩みを記すものである。 かつて、戦争があった。 人々『光』を求めて戦い、その命を散らしていった。 『光』の解釈は人それぞれである。 それは資源かも知れない。 それは土地かも知れな...
キングダムハーツ(長編小説)

【長編小説】ノーバディの運命 第9話:幼少期の記憶

“もう一人の自分”を想って ナミネは城の一室から黄昏色の空を眺めていた。 レイディアントガーデンの空は元々赤紫色であり、太陽をハッキリとは視認できない。 そのため、夕空の色も他の世界とは若干異なる。 今朝ナミネが目を覚ました時、ロクサスはま...
キングダムハーツ(長編小説)

【長編小説】ノーバディの運命 第8話:悪寒と困惑

不気味な感覚 『Kairi』——カイリ。 それは、ロクサスもよく知っている名前だった。 これは単なる偶然なのだろうか。 カイリは元々、レイディアントガーデンの出身である。 そのこと自体はロクサスも知っていたが、カイリがレイディアントガーデン...
キングダムハーツ(長編小説)

【長編小説】ノーバディの運命 第7話:予期せぬ発見

謎の洋館 ロクサスとリクは、目の前の洋館を改めて観察してみた。 かなり古ぼけている感じで、とても人が住んでいるようには見えない。 外壁もかなり汚れており、長い間放置されているような印象を受ける。 門の部分描かれている抉れた逆ハート型の紋章—...
キングダムハーツ(長編小説)

【長編小説】ノーバディの運命 第6話:相容れない者たち

語りかける声 自分の体が——そして意識が、暗く冷たい淵へと沈み込んでいくのがわかる。 何も無く、誰も居ない——そんな場所へと堕ちていく感覚だった。 もうじき、こんな風に何かを感じるも考えることも出来なくなる。 存在することすら許されないノー...
キングダムハーツ(長編小説)

【長編小説】ノーバディの運命 第5話:迫害

虚しい戦い ロクサスは4体いるダークサイドのうち、一体に向かって両手のキーブレードを投げ付けた。 そのダークサイドは不意を突かれて致命傷を負ったのか、音を立てて地上へと落下し、そして消滅した。 残り3体のダークサイドのたちのうち、ロクサスの...
キングダムハーツ(長編小説)

【長編小説】ノーバディの運命 第4話:負の遺産

“闇”を生み出す機械 賢者アンセムが追放される以前——つまり10年以上も前に作られた可能性があるソウルイーター。 仮にそうだとして、一体誰が目の前にあるソウルイーターを作ったというのだろうか? 「少なくとも、そのソウルイーターは賢者アンセム...
キングダムハーツ(長編小説)

【長編小説】ノーバディの運命 第3話:犯人の行方

ソラとの会話 ソラは、妙にニコニコしながらロクサスとナミネのことを見比べている。 「もう日も暮れそうなのに、二人で何してたんだ?ん?ん~?」 キーブレードの勇者であるソラは、普段はごく普通の少年である。 しかし、彼は時々ではあるが周囲の人間...
キングダムハーツ(長編小説)

【長編小説】ノーバディの運命 第2話:浜辺での邂逅

この日、ナミネは朝からカイリの看病をしていた。 今朝になって、カイリが突然高熱を出したのである。 普段から活発なカイリが体調を崩すことは珍しい。 さらに都合が悪いことに、この日はデスティニーアイランドの村長夫妻が不在であった。 そのような事...
キングダムハーツ(長編小説)

【長編小説】ノーバディの運命 第1話:事件

12個の墓標が並ぶ小高いサンセットヒルの丘。 少年は一人でその場所を目指して、トワイライトタウンの街中を歩いていた。 少年が過去の戒めとして着ている黒いコートの裾が風になびく。 「なんだか……すごく久しぶりって気がするな」 少年の独り言が風...