キングダムハーツ(長編小説)

【長編小説】ノーバディの運命 第12話:異端の存在

エアリスからの忠告「彼の気持ち、私、わかる」ナミネの隣に座る若い女性は、微笑みながらそう言った。ロクサスが正体不明の洋館を探索し、また彼から胸の内を打ち明けられた翌日、ナミネは城の食堂で朝食を摂っていた。その際、たまたま所用があって城に泊ま...
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【長編小説】ノーバディの運命 第11話:募る不信感

“アンセム”の悪行レオンが言うには、歴代の統治者たる『アンセム』の就任時に幾度となく権力闘争が起こったという。「初代アンセムがこの世界をレイディアントガーデンと名付けたのは、約500年前だと言われている。その500年の間に“アンセム”の座を...
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【長編小説】ノーバディの運命 第10話:レイディアントガーデンの歴史

偉人の言葉後世の者達にこの世界の起源を伝えるべく、此処に我が歩みを記すものである。かつて、戦争があった。人々『光』を求めて戦い、その命を散らしていった。『光』の解釈は人それぞれである。それは資源かも知れない。それは土地かも知れない。それは家...
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【長編小説】ノーバディの運命 第9話:幼少期の記憶

“もう一人の自分”を想ってナミネは城の一室から黄昏色の空を眺めていた。レイディアントガーデンの空は元々赤紫色であり、太陽をハッキリとは視認できない。そのため、夕空の色も他の世界とは若干異なる。今朝ナミネが目を覚ました時、ロクサスはまだ眠った...
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【長編小説】ノーバディの運命 第8話:悪寒と困惑

不気味な感覚『Kairi』——カイリ。それは、ロクサスもよく知っている名前だった。これは単なる偶然なのだろうか。カイリは元々、レイディアントガーデンの出身である。そのこと自体はロクサスも知っていたが、カイリがレイディアントガーデンに居た当時...
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【長編小説】ノーバディの運命 第7話:予期せぬ発見

謎の洋館ロクサスとリクは、目の前の洋館を改めて観察してみた。かなり古ぼけている感じで、とても人が住んでいるようには見えない。外壁もかなり汚れており、長い間放置されているような印象を受ける。門の部分描かれている抉れた逆ハート型の紋章——機関の...
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【長編小説】ノーバディの運命 第6話:相容れない者たち

語りかける声自分の体が——そして意識が、暗く冷たい淵へと沈み込んでいくのがわかる。何も無く、誰も居ない——そんな場所へと堕ちていく感覚だった。もうじき、こんな風に何かを感じるも考えることも出来なくなる。存在することすら許されないノーバディが...
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【長編小説】ノーバディの運命 第5話:迫害

虚しい戦いロクサスは4体いるダークサイドのうち、一体に向かって両手のキーブレードを投げ付けた。そのダークサイドは不意を突かれて致命傷を負ったのか、音を立てて地上へと落下し、そして消滅した。残り3体のダークサイドのたちのうち、ロクサスの存在に...
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【長編小説】ノーバディの運命 第4話:負の遺産

“闇”を生み出す機械賢者アンセムが追放される以前——つまり10年以上も前に作られた可能性があるソウルイーター。仮にそうだとして、一体誰が目の前にあるソウルイーターを作ったというのだろうか?「少なくとも、そのソウルイーターは賢者アンセムがこの...
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【長編小説】ノーバディの運命 第3話:犯人の行方

ソラとの会話ソラは、妙にニコニコしながらロクサスとナミネのことを見比べている。「もう日も暮れそうなのに、二人で何してたんだ?ん?ん~?」キーブレードの勇者であるソラは、普段はごく普通の少年である。しかし、彼は時々ではあるが周囲の人間を意味も...