二次創作小説

FF7

任務と私情の狭間で(後編)

本作は【任務と私情の狭間で(前編)】の続編です。去来する記憶大切なものを失ったとき、人間はその価値を知って慟哭どうこくするという。そして、悲壮と後悔の念に苛まれるという。私に関して言えば、今の状況が、まさにそうなのだろう。ザックスの訃報は、...
FF7

任務と私情の狭間で(前編)

終局への秒読みニブルヘイムの神羅屋敷から、宝条博士の実験サンプルが逃走した。逃亡者は2名——元ソルジャーと、そして一般兵。科学部門からの要請により、幾人もの神羅兵が、その2名を“確保”するためにニブルヘイム方面へと向かった。しかし、その結果...
キングダムハーツ(長編小説)

【長編小説】ノーバディの運命 第15話:真実の一端

逡巡する思考エントランスの階段を昇った二人は、まず手近な場所から探索を始めた。客室とも寝室とも取れる部屋もあれば、完全な空き部屋もある。どこも例外なく部屋全体が埃を被っている。やはり、生活感などは一切感じられない。次に、二人は書斎へと足を踏...
キングダムハーツ(長編小説)

【長編小説】ノーバディの運命 第14話:花言葉

弟切草おとぎりそうと紫苑しおん「不思議だよね。私は知らないはずなのに、どうして知っているんだろう」そう語るナミネは、終始無表情であった。「この館を見た時から、知らない筈の景色が頭に浮かんでくるの。だからなのかな?この裏庭には黄色い花が咲いて...
キングダムハーツ(長編小説)

【長編小説】ノーバディの運命 第13話:甦る記憶

状況の整理無人の洋館は不気味な存在感を漂わせている。ノーバディだけが通れる結界に包まれながら。「これが……結界?」ナミネは目の前にある薄灰色の壁を見た。蜃気楼のように揺れる空気の壁は、ノーバディの通過のみを許す。その障壁に洋館全体が覆われて...
キングダムハーツ(長編小説)

【長編小説】ノーバディの運命 第12話:異端の存在

エアリスからの忠告「彼の気持ち、私、わかる」ナミネの隣に座る若い女性は、微笑みながらそう言った。ロクサスが正体不明の洋館を探索し、また彼から胸の内を打ち明けられた翌日、ナミネは城の食堂で朝食を摂っていた。その際、たまたま所用があって城に泊ま...
キングダムハーツ(長編小説)

【長編小説】ノーバディの運命 第11話:募る不信感

“アンセム”の悪行レオンが言うには、歴代の統治者たる『アンセム』の就任時に幾度となく権力闘争が起こったという。「初代アンセムがこの世界をレイディアントガーデンと名付けたのは、約500年前だと言われている。その500年の間に“アンセム”の座を...
キングダムハーツ(長編小説)

【長編小説】ノーバディの運命 第10話:レイディアントガーデンの歴史

偉人の言葉後世の者達にこの世界の起源を伝えるべく、此処に我が歩みを記すものである。かつて、戦争があった。人々『光』を求めて戦い、その命を散らしていった。『光』の解釈は人それぞれである。それは資源かも知れない。それは土地かも知れない。それは家...
キングダムハーツ(長編小説)

【長編小説】ノーバディの運命 第9話:幼少期の記憶

“もう一人の自分”を想ってナミネは城の一室から黄昏色の空を眺めていた。レイディアントガーデンの空は元々赤紫色であり、太陽をハッキリとは視認できない。そのため、夕空の色も他の世界とは若干異なる。今朝ナミネが目を覚ました時、ロクサスはまだ眠った...
キングダムハーツ(長編小説)

【長編小説】ノーバディの運命 第8話:悪寒と困惑

不気味な感覚『Kairi』——カイリ。それは、ロクサスもよく知っている名前だった。これは単なる偶然なのだろうか。カイリは元々、レイディアントガーデンの出身である。そのこと自体はロクサスも知っていたが、カイリがレイディアントガーデンに居た当時...