二次創作小説

キングダムハーツ(シリアス系)

非情になり切れなかった者-Larxene-

“妖姫”の誕生 私の心は、闇に飲み込まれた。 その心——『本来の私』は、現在はハートレスと呼ばれる怪物になっているらしい。 そして、今の私は心を無くしたただの『脱け殻』だそうだ。 全く、胡散臭い話だ。 そんな胡散臭い話を、目の前に立っている...
キングダムハーツ(シリアス系)

謀反を企てし者-Marluxia-

ロクサスとの出会い かつて自分が失ったもの。 それを求めるのが悪いことだとは、私は思わない。 私は心を失った。 いや、心に捨て去られたと言うべきか。 そして残ったのは、虚ろな記憶と肉体。 それまでの『私』は消え去り、新たな『私』が生まれた。...
キングダムハーツ(シリアス系)

夜明けの道を歩む者-Riku-

狭間の世界 闇が、俺を導いてくれる。 口で言うのは簡単だけど、それはとても難しいことだ。 闇を身に纏い、それでいて闇に囚われることもなく、光を見失わずに歩き続ける。 俺は今、ナミネとディズと一緒に薄暗い道を歩いている。 俺だけが機関の連中と...
キングダムハーツ(シリアス系)

存在する理由を探す者たち

夕陽の光を眺めながら ハートレスの討伐任務を終えた後、ロクサスはトワイライトタウンに来ていた。 ロクサスは、この街の夕陽が好きだった。 自分がノーバディとして生まれ落ちた、故郷とも呼ぶべき夕暮れの街。 故郷とは言っても、この街そのものに何か...
キングダムハーツ(シリアス系)

決別の刻(後編)

本作は【決別の刻(中編)】の続編です。 “心”とは何か あと、もう少し———。 二人は闇の中から、トワイライトタウンのサンセットヒルへと飛び出した。 「何とか、逃げ切れたみたいだな」 「……うん」 「やっぱり、ハートレス達はキーブレードを持...
キングダムハーツ(シリアス系)

決別の刻(中編)

本作は【決別の刻(前編)】の続編です。 存在しなかった世界 黒いコートを着た“彼”は、高層ビルが並ぶ摩天楼の下を歩いていた。 この街は本当に薄暗く、見通しが悪い。 鈍色の光を放つ『月』——人の心のキングダムハーツが消えてしまった今では、この...
キングダムハーツ(シリアス系)

決別の刻(前編)

本作は【巡り合う心-Roxas & Namine-】の続編です。 闇夜の出立 デスティニーアイランドの離れ小島で、夜間の光源となり得るのは月と星の光だけだ。 そんな離れ小島の茂みには、ある洞窟への入り口がある。 島の子供たちの間で『秘密の場...
キングダムハーツ(シリアス系)

巡り合う心-Roxas & Namine-

本作は【葛藤する心-Namine-】の続編です。 大切な人に思いを馳はせる いつもと同じく、よく晴れた日だった。 海風が気持ちいい。 目の前にはボートを漕ぐソラの姿がある。 ロクサスはいつもの半透明姿でソラの向かいに座っていた。 「…なあ、...
キングダムハーツ(シリアス系)

葛藤する心-Namine-

本作は【葛藤する心-Roxas-】の続編です。 カイリの部屋にて ロクサスがリクに悩みを打ち明けていた同時刻———。 「じゃあ、そろそろ話してくれる…?」 「…うん」 カイリの部屋には二人の姿があった。 部屋の主であるカイリと、半透明な姿の...
キングダムハーツ(シリアス系)

葛藤する心-Roxas-

本作は【すれ違う心-Roxas & Namine-】の続編です。 尽きない悩み ロクサスとナミネの関係に不和が生じた翌日——。 カイリは、いつもの島には現れなかった。 「カイリなら、昨夜から体調が悪いから今日は家で休むってさ」 リクはソラに...